郵便料金の値上げ対策ならこれ!「特約ゆうメール」への切り替えについて詳しく解説

2024年秋郵便料金の値上げ対策ならこれ

総務省審議会が郵便料金の値上げを承認

2024年3月、郵便事業を所管する総務省の郵政行政審議会が、定形封書(25g以下)の郵便料金の上限額を現行の84円から110円に引き上げる案を承認しました。
これにより、日本郵便はこの10月1日からの郵便料金を以下の通り値上げしました。

引用元:日本郵便「郵便料金の変更内容」より

郵便料金の値上げ対策には「特約ゆうメール」が効果的

今回の郵便料金の値上げですが、請求書や納品書なら郵送そのものをやめて電子化するという手がありますし、すでにそうされている企業様も多いのではないでしょうか。
そこで、ここでは、紙媒体の郵送DM(ダイレクトメール)を広告戦略や集客ツールに活用されている企業様に向けて、効果的な郵便料金の値上げ対策をご案内いたします。

1.現行の郵便料金割引制度

(1)郵便割引制度

郵便料金は、多くの数量をまとめて出す場合やその差出方法により、一定の割引(下記①~⑤)を受けることができます。おそらくDMを広告戦略に活用しているほとんどの企業様はこうした割引制度を利用していらっしゃることでしょう。
しかし、今回の郵便料金の値上げは、元となる郵便料金の単価(定価)が上がるわけですから、割引が適用されたとしても値上げという点では何も変わりません。
しかし、⑤の特約ゆうメールだけは、そもそも今回値上げの対象になっていないというのが大きなポイントです。

①バーコード割引・・・1,000通以上、宛先のカスタマーバーコードを付けると3%割引
②利用者区分割引・・・2,000通以上、郵便番号区分して差し出すと最大6%割引
③広告郵便割引・・・2,000通以上、広告郵便物として承認を得ると最大37%割引
④配達猶予割引・・・配達日数に3~7日程度の猶予を加算すると2~3%割引

⑤特約ゆうメール大口割引・・・以下参照

ゆうメール運賃料金表 (2)数量割引
同時に又は一定期間内に大量に差し出す顧客に対しては、1回ごと又は一定期間内の差出個数により引率又は割引額をあらかじめ決め、割り引くことができます。

引用元:「日本郵便 ゆうパケット約款

(2)特約ゆうメールが値上げ対象外の理由とは

人件費や配送コストの高騰など2024年問題によって、物流業界ではここ数年値上げが続いています。
当然、特約ゆうメールも、これまでは毎年の様に料金が引き上げられてきました。
しかし、今年は、ヤマト運輸との協業で国内メール便の配送シェアを日本郵便がほぼ独占する形になったことで、そのタイミングでの値上げは独占禁止法に触れる恐れがあるため、今回ゆうメールは値上げの対象から外れたとの話もあります。

2.値上げ対策に効果的な「特約ゆうメール」とは

(1)日本郵便の「ゆうメール」

日本郵便の「ゆうメール」とは、縦34cm以内・横25cm以内・厚さ3cm以内、重量1kgまでの雑誌や商品カタログ等の印刷物、電磁的記録媒体(CD・DVD等)を、全国一律料金で送ることができるメール便配送サービスのことをいいます。
重量によって運賃が異なるものの、普通郵便やゆうパックと比較して安く送ることができます。

日本郵便の「ゆうメール

ゆうメール料金

(2)「特約ゆうメール」とは

特約ゆうメールとは、ゆうメールを大量に差し出す大口企業が郵便局と直接契約し、特約制度を利用して基本運賃よりも安く利用できるゆうメールのことをいいます。
なお、現在郵便局と特約運賃契約を締結している企業は、ヤマト運輸や佐川急便など全国におよそ20社程度とあると言われています。

ゆうメール運賃料金表 (2)数量割引
同時に又は一定期間内に大量に差し出す顧客に対しては、1回ごと又は一定期間内の差出個数により割引率又は割引額をあらかじめ決め、割り引くことができます。

引用元:「日本郵便 ゆうパケット約款

(2)小口でも利用できる特約ゆうメール

ゆうメールを大量に差し出す大口企業が利用できる特約ゆうメールですが、小口の差出しでも利用できないわけではありません。その方法は、特約運賃契約を締結している企業を名義にして差し出すというやり方です。
但し、この場合、郵送物に差出人として特約運賃契約企業名を表記することが条件になります。

小口でも利用できる特約ゆうメール

(3)特約ゆうメールの運賃体系

特約ゆうメールの運賃体系は、郵送物のサイズ(定型・定形外)と数量、また重量や配達地域といった条件をもとに特約ゆうメール締結企業各社が独自に定めており、運賃には差があります。
とはいえ、郵便局の基本運賃と比較すればかなり安く、特に定型サイズや重量の軽いものについては郵便局の半額以下で出せるケースもあります。

「特約ゆうメール」を利用した値上げ対策のご提案

郵便料金の値上げが決まっている中で、DMとして利用頻度の高いのは「はがき」と「定型封書」の二種類です。中でも「はがき」は、紙面に限りがあるものの送料が最も安いため、セールの告知やちょっとしたお知らせなどに大変数多く利用されています。
そこで、ここでは、ハガキと定型封書の二種類に絞って具体的な値上げ対策をご提案します。

1.郵便料金値上げ対策の具体案

【値上げ対策1】 現在、「圧着ハガキ」ご利用の場合

「圧着ハガキ」ご利用の場合

  1. 特約ゆうメールに切り替えることで送料の値上げ幅を低減できます。
  2. 圧着加工の工程を省くことで印刷費を削減し、印刷スケジュールも短縮できます。
  3. A4判DMなら、利用できる紙面が2倍に増えます。
  4. 開く手間が省け、はがきと比べて大きくて目立つから反響率アップの期待大!

なお、普通はがきの場合には、敢えて仕様を変更せずに、はがきサイズのまま特約ゆうメールへ切り替えるだけでも値上げ幅を低減する効果があります。

【値上げ対策2】 現在、「定型封書」ご利用の場合

「定型封書」ご利用の場合

  1. 特約ゆうメールに切り替えることで送料の値上げ幅を低減できます。
  2. A4判DMでも、定型封書と同程度の運賃で送ることができます。
  3. A4判DMなら、折りと封入工程を省けるから作業費と封筒代をまるまる削減できます。
  4. A4判DMなら、受取り手の開封する手間がありません。
  5. A4判DMなら、定型サイズより大きく目立つので反響率アップの期待大!

なお、敢えて仕様を変更せずに、定型サイズのまま特約ゆうメールへ切り替えるだけでも値上げ幅を低減する効果があります。

2.特約ゆうメール利用時の注意点

(1)信書を送ることはできません

郵便法や信書法では、ゆうメールで信書を送ることが許されていません。事実、過去には誤った信書の送り方をして罰則を受けた例もありますので十分な注意が必要です。
なお、信書の定義や詳細については以下をご覧ください。

参考: 信書の誤った送達が郵便法違反に!?
参考: そのDMゆうメールでは送れません  -信書と見做された実例とその対策-

(2)差出人として、特約運賃契約企業名の表記が必要

差出人として、特約運賃契約企業名の表記が必要

郵便局の窓口で直接ゆうメールを出す場合は自らが差出人となります。この場合運賃の割引はありませんので基本運賃を支払うことになります。
これに対し、特約ゆうメールは、郵便局と特約運賃契約を結んでいる企業を介して差し出すため、窓口で直接出すよりも運賃が安くなるというものです。
そのため、郵送物には差出人として特約運賃契約企業名(差出発送代行名)を表記する必要があります。

まとめ

今回の郵便料金の改定は値上げ幅が大きく、広告戦略にDM(ダイレクトメール)を利用されている企業様にとっては大変な痛手ではないでしょうか。
しかし、今回の値上げの対象から外された「ゆうメール」をご利用の企業様にとっては何の影響もありません。
もちろん、この先「ゆうメール」の運賃引き上げがないとは言い切れませんが、少なくとも今回の郵便料金の値上げについては「特約ゆうメール」への切り替えが最も効果的な対策といえるでしょう。
ジャパンメールでは、郵便料金値上げ対策として「特約ゆうメール」への早期切り替えキャンペーンを実施中です。どうぞお気軽にお問合せ下さい。