DMとは?その種類やメリット・デメリット、マーケティング活用方法を紹介【第37回】

DM(ダイレクトメール)とは?DMの種類やメリット、有効活用のポイントを徹底紹介

DMには、InstagramやX(旧:Twitter)などSNSのメッセージ機能である「ダイレクトメッセージ」と、宣伝活動を目的に個人や法人宛に送付される広告の「ダイレクトメール」があります。今回は、DM(ダイレクトメール)について、その種類やメリット、有効活用のポイントやDMの成功事例についてご紹介いたします。

DMとは?

DMとは

画像引用元:ジャパンメール

DM(ダイレクトメール)とは、企業から個人や法人宛に広告宣伝を目的に送付される商品案内・キャンペーン・カタログ・パンフレット等の郵便物やEメールのことです。

ダイレクトマーケティングの一種であるDMは、ターゲットやニーズを絞り込み、ピンポイントで広告宣伝を行うことができるため、費用対効果が得られやすく一般企業でも多く採用されているマーケティング手法です。

※DMには、X(旧Twitter)/Instagram/FacebookなどのSNSで特定のユーザーと直接メッセージをやりとりできる機能を指す「ダイレクトメッセージ」の意味もありますが、本記事では「ダイレクトメール」についてご紹介いたします。

DMの種類

DM(ダイレクトメール)には、郵便物を媒体とした郵便DMのほか、電子メールやFAXを利用して送るものがあります。

DMの種類 郵送DM EメールDM FAXDM
媒体 はがき・封筒 メール FAX
開封・閲読率 ◎(75.1%) ◯(20%) ◎(100%)
反応率 ◎(19.7%) △(2〜3% △(0.1〜0.3%)
コスト
情報量

※反応率=行動喚起率のこと。郵便DMの場合はネットで調べた、来店した、話題にした等の行動した割合。EメールDMの場合はメールに記載のURLをクリックした割合。FAXDMの場合は問い合わせの割合。

郵送DM

郵送DM

郵便DMは、一般的にハガキや封筒などの郵便物として送られる商品案内・キャンペーン・カタログ・パンフレットなどの広告郵便物です。SNSが発達する前から古くからある広告手段となっており、「DMメディア実態調査2023」によると自分宛に送られたDMの開封・閲読率は75.1%と非常に高くなっています。また、DMを受け取ってからネットで調べた、来店した、話題にした等の行動の割合は19.7%となっており、DM反応率が最も高くデジタル時代においても多くの企業が採用している広告手段となっています。DMの中でも情報量を多く掲載できて視覚的に訴えることが可能なので、デザインを工夫することでサービスや商品のイメージが伝わりやすいというメリットがあります。

EメールDM

EメールDM

EメールDMは、顧客のメールアドレス宛てに自社のサービスや商品情報、イベント案内などを送る電子メールによるDMです。Eメールは郵便DMのように送付物の制作や発送作業が不要なためコストを抑えて一度に大量に配信できますが、メールに記載のURLをクリックした割合を示す反応率は2〜3%といわれています。

FAXDM

FAXDM

FAXDMは、FAX(ファックス)を利用して送るDMです。 FAXで送るので必然的に閲覧率は100%ですが、受け取る側がFAXのインクや紙を負担する広告手法であるためクレームが発生するリスクがあります。また、FAXDMの場合はモノクロのみの原稿で情報量が限られるため、問い合わせの割合を指す反応率は0.1〜0.3%とDMの中でも最も低くなっています。

DMの中でも郵便DMの反応率は19.7%と最も高く、デジタルの時代においても費用対効果が高い広告手段です。DMはキャンペーンや新商品の告知、セール案内、既存顧客への新商品訴求などに適しており、クーポンや割引券などを掲載することで反響率や反応率を高めることができます。

DM5つのメリット

DM(ダイレクトメール)の種類がわかったところで、メリットについて見ていきましょう。特に、開封率や反応率が非常に高い郵便DMのメリットを中心にご紹介いたします。

1:顧客にアピールしやすい広告

郵便DMは、EメールやSNS広告などのデジタルマーケティングやTVCMやラジオCM、新聞・雑誌広告などのマスメディア広告とは異なり、実際に手で触れたり、実体験できることが大きな特徴です。デザインや紙質や形状などを工夫できるので商品やサービスの魅力を最大限にアピールすることができるうえ、TVCMやネット広告などの一過性の広告とは異なり顧客の好きなタイミングで何度も目を通してもらうことができます。

2:広告の中でも訴求できる情報量が多い

郵便DMは、印刷物やサンプルなどを手元に届けることでデジタル媒体の広告やマスメディア広告よりも多くの情報量を訴求することができます。特に封筒で送るタイプのDMは、多くのチラシを一度にまとめて送付できるためより多くの情報量を届けることができます。

3:ターゲットをセグメントできるため精度が高い

郵便DMは、顧客の住所が不明な場合でも送付するターゲットの地域や業種・企業規模等の細かなセグメントが可能です。そのため、見込み顧客向けであってもターゲット層に直接届けることが可能なので高い精度が見込めます。

4:顧客との信頼関係が薄くても高い反応率が見込める

郵便DMやEメールDMは、広告宣伝のターゲットとなる顧客との信頼関係が薄い場合でも、クーポンやキャンペーンを添付することでターゲットが次のアクションを起こしやすいという特徴があります。

5:効果測定がしやすい

DMは、送ったDMのうち何件の問い合わせ・来店・資料請求・クーポン利用があったのか?の反応率を計測できるため、広告宣伝の効果測定が可能です。さらにその分析結果から次の企画や改善に活かすこともできるので、より効果的なマーケティング施策を得ることが可能です。

郵便DMの場合は掲載できる情報量が多い代わりに印刷料や発送作業料などのコストが発生します。しかし、TVCMやラジオCM、新聞・雑誌広告などのマスメディア広告に比べ低コストで実施でき、ターゲットに確実に届けることができます。また、デザイン・印刷〜発送作業まで一括で依頼できるDM発送専門会社に依頼することで最安の送料や印刷料金で発送することが可能です。開封・閲読率は75.1%と非常に高いので、比較的費用対効果が高い広告手段と言えるでしょう。

DM有効活用のポイント6つ

DM(ダイレクトメール)の中でも郵便DMは、特別感を感じてもらいやすく保存性に優れているため集客や販売にとても有効な宣伝手法のひとつですが、ただ送るだけではその効果は得られません。DMを自社のマーケティング施策として有効活用するにはいくつかのポイントがあります。

1: ターゲット(目的・目標)を明確にする

DM施策において最も重要なのが「誰にどのような目的で送るか」という、ターゲット(目的・目標)の設定です。確度の高いターゲットを明確にすることで、送り先地域や業種のセグメントがしやすくなるだけでなく、ターゲットに刺さるキャッチコピーやデザインを作成することができます。特に、郵便DMはターゲットが明確であればあるほど反応率を高めることができます。

送り先顧客を条件や情報ごとに分類し、その分類したグループごとに合った内容を届けることにより「これは自分宛にきたDMだ!」とターゲットに“自分事”と思ってもらえるようにしましょう。また、DMの形状においても経営層であれば封書、担当者であれば定型ハガキというようにターゲットごとに変えることで開封率は上がると言われています。DMの無駄打ちをできるだけ少なくするために、確度の高いターゲットを明確にして絞り込みましょう。

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2:自社商品やターゲットに合ったクリエイティブを考える

郵便DMは伝えられる情報量が多いため、コピーライティングやデザインなどのクリエイティブへのこだわりも重要です。

商品・サービスの魅力をターゲットに的確に訴求するためには、自社の商品・サービスに合った色合いや、写真、キャッチコピーなどを事前に検討しましょう。また、自社商品を利用することで得られるメリットを端的に述べるキャッチコピーや、ターゲットの悩みや不満に寄り添うキャッチコピーなどを添えることも開封率を高める重要なポイントです。

【キャッチコピーに入れるべき要素】

  • 何を(商品・サービス)
  • どのような(特徴)
  • なぜ(商品がお客様に必要な理由)

キャッチコピーを考える際は「お客様が得られるメリット」を盛り込みましょう。一目でターゲットに必要なDMだと分かるように、キャッチコピーの割合を紙面の1/3以上に設定することがポイントです。

3:魅力的なオファー(特典・提案)を用意する

割引券、クーポン、プレゼント、イベント招待、無料キャンペーンなどなどのオファー(特典・提案)は、購買意欲を高めるための大きなフックとなりますので、DM開封を促すことを意識し、目立つ箇所に記載しましょう。封入物に特典を記載する場合には、封筒に「キャンペーンの詳細はこちら」「割引券在中」などターゲットに訴求する特典情報を記載すると良いでしょう。

【DMの特典の掲載例】

  • 「◯月◯日までのご購入で10%OFF」
  • 「来店時にノベルティグッズプレゼント」
  • 「お友達紹介で500円割引クーポンゲット」
  • 「収益を劇的に改善する〇〇」
  • 「売上アップの秘訣をご提案」
  • 「業界最低水準!低コストな〇〇」
  • 「無料診断」
  • 「無料相談」
  • 「安心な〇〇パック」 など

オファー(特典・提案)があるとないとでは反応率に大きな差が生まれますので、ターゲットに合った魅力的なオファーを提案しましょう。

4:送るタイミングを意識する

郵便DMは送るタイミングを明確にしておくことで、季節感のあるデザインにしたり、顧客のボーナス時期に最適なキャンペーン・セールなどを打ち出すことが可能です。ターゲットを絞り込み文面・内容を検討したとしても、DMを受け取った時期がターゲットにとって適切でない場合は反応が得られませんので、顧客の立場になってDMを送る時期を設定しましょう。

BtoC(一般顧客)向けDMを送るタイミング

新年度、ゴールデンウィーク、衣替え、顧客の誕生月、ボーナス時期、季節や生活のイベントなどを上手く活用し、送る時期を決めましょう。年間販促カレンダーを活用するのも良いでしょう。

2020年販促カレンダーはこちら(外部リンク)

BtoB(企業・法人)向けDMを送るタイミング

買い替え時期、予算取りの時期、閑散期、決算時期の前、新卒採用時期、ターゲットに関わる法律の施行前や、助成金・補助金の受付時期や締め切り前など、ターゲットの業界の動向を見極めて発送することが重要です。

5:WEBと組み合わせる

自社のWEBサイトやSNS(Twitter、Instagram、Facebook)等のURLやQRコードをDM(ダイレクトメール)に掲載することで、自社ウェブサイトへ誘導することができます。これにより顧客との接点を増やすことができ、DMの反応率を大幅に高めることが可能です。さらに、URLやQRコードによる流入を計測できれば、DMの効果をより確実に測定できます。

6:効果測定を繰り返す

複数のデザインパターンを用意することにより、受け取り手のお客様がどのような反応を示すのか、その反応率を測定します。来店・問い合わせ・WEBサイトへのアクセス・クーポンコードの利用・キャンペーン利用の有無などを測定値の目安とし、「送ったDMのうちどれだけレスポンスがあったのか?」「DMの総コスト」などから算出します。このような効果測定を繰り返し行うことで、さらなる改善施策を導くことができますのでぜひ実施してみましょう。

DM(ダイレクトメール)の反応率の求め方について詳しくはこちら>

DM活用の成功事例

郵便DMを活用した販促活動の成功事例をいくつかご紹介します。(参照元:日本郵政グループ|全日本DM大賞

1:ECサイトとDMの連携でコンバージョン20%UP

通販企業のディノス・セシールは、ECサイトと郵便DMを連携させた施策でコンバージョン率を約20%アップさせることに成功しました。

DM大賞金賞グランプリ

像引用元:マーケジン

ECサイトのカートに商品を入れてから離脱した顧客に対し、購入を促すDMを発送。その際、カートに入れた商品案内がDMで届くことには抵抗を覚える顧客がいる可能性を考慮して、オファー部分は、“あくまでオススメ商品をお伝えしている”というテイストのコピーや見せ方にしました。これにより、メールで購入を促した場合と比較してコンバージョン率が約20%アップしました。

2:DM送付後のフォローコールで受付突破率5倍以上

クラウド型会計ソフト「freee 会計」は上場企業をターゲットに、箱詰めのチロルチョコとDMを発送することで、DM送付後のフォローコールで受付突破率を通常の5 倍以上にすることに成功しました。

チロルチョコとDMを発送

画像引用元:第39回 全日本DM大賞

本決算業務が終わった後に経理部員が一年で唯一気が休まるタイミングの決算期の3ヶ月後に、ねぎらいの想いを込めて箱詰めのチロルチョコを送付。DMは箱型の形状で、経理部員が業務で日頃よく目にしているテンキーを模したチロルチョコを詰め、「お仕事の合間にフリーなひとときを過ごせましたか」とメッセージを記載し、ねぎらいの心遣いが伝わる演出を施しました。通常、テレアポの成功率は0.1〜10%未満といわれていますが、「freee 会計」はDM送付後のフォローコールで担当者への接続率を通常の5倍以上にすることに成功しました。

3:DM×Web誘導×アウトコールで顧客単価2倍以上

DM×Web誘導×アウトコールで顧客単価2倍以上

画像引用元:第38回 全日本DM大賞

産地直送事業を展開する北海道産地直送センターは、年3回以上購入の顧客に向けた「購入履歴反映ビンゴDM」と、購入単価の低い顧客に向けた「ほたて型DM」を発送。

年3回以上購入のリピーターには、対象顧客専属のコールセンタースタッフらの、顔写真入りの自筆メッセージを載せた感謝状と、対象顧客の購入履歴から導き出した商品を配置した「ビンゴカード」を同封し、マス目に記載の商品を購入し1列揃うごとに同社商品がプレゼントされるルールの「購入履歴反映ビンゴDM」を制作しました。

また、購入単価の低い顧客には、過去の購買データに基づきランキング形式でカニやイクラなどの“推し” 商品を紹介する「ほたて型DM」を制作し、ECだけの割引特典を設けてWebへ誘導することで顧客単価アップを図りました。さらに、既存顧客や新規顧客にフォロー電話をかけるアウトコールを実施することにより、前年最高時のレスポンス率3.1%から5.6%へアップ、顧客単価は2倍以上になりました。

いずれの成功事例もターゲットとなる顧客を明確に定めていることが分かります。ターゲットが明確になれば、デザインやキャッチコピー、DM発送時期や訴求する商品・サービスがおのずと決まっていきますので、DMマーケティングを成功させるにはターゲット選定を徹底するようにしましょう。

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今回は、DM(ダイレクトメール)について、その種類やメリット、有効活用のポイントやDMの成功事例についてご紹介しました。

DMは古くから活用されているマーケティング手法のひとつなので顧客に不信感を抱かれにくく、関係性が浅いユーザーに対してもキャンペーン告知やクーポンを掲載しておくことで効果的にアプローチできます。

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