こんな例があります。
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「メール便で送られてきたDM(ダイレクトメール)に申込用紙が付いていて、興味があったので必要な項目を記入してメール便で返送しようとしたら『これは信書なので送れません』と受け付けてもらえなかった。申込用紙の付いたDM(ダイレクトメール)はメール便で送られてきたから、返送も当然メール便で出来ると思っていた。」
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実は、元々信書ではない書類でも、少し手を加えただけで信書になってしまうものがあります。
そもそも信書とは『特定の受取人に対し、差出人の意思を表示し、または事実を通知する文書』と郵便法で定義されています。
未記入の申込用紙やアンケート用紙は、『特定の受取人に対し、差出人の意思を表示し、または事実を通知する文書』では無いため、信書には該当しません。
ところが、その用紙を受け取ったあと必要事項を記入した上で企業等に送付する場合は『特定の受取人に対し、差出人の意思を表示し、または事実を通知する文書』となるため、信書に該当します。その結果クロネコメール便や飛脚メール便等では発送出来なくなってしまうのです。
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逆に、信書だった書類が信書ではなくなるというパターンも存在します。
その例が『応募者へ返送する履歴書』です。
履歴書は、会社等に対し自身の住所や経歴等の情報を通知する文書なので、応募者から会社等に送付する場合は『特定の受取人に対し、差出人の意思を表示し、または事実を通知する文書』という信書の定義に該当します。
一方、選考後に履歴書を応募者に返送する場合は、会社から応募者へ情報を通知する文書ではないため、信書には該当しません。ただし、返送する履歴書と共に合否の通知を送付する場合は、合否の通知そのものが信書に該当します。